【ブログ】歯周病の再生治療でどこまで歯ぐきや骨は再生できる?
2025年12月10日
こんにちは。岩坂歯科医院です。
「歯周病の再生治療」と聞くと、まるで魔法のように歯ぐきや骨が元通りになるイメージを持たれる方も少なくありません。
しかし実際のところ、再生治療には明確な適応条件があり、その効果にも限界があります。
今回は、歯周病の再生治療でどこまで歯ぐきや骨が回復するのか、そしてどんなケースで効果が期待できるのかを詳しくご紹介します。
歯周病とは?「歯を支える骨」が溶けてしまう病気
歯周病は、歯を支える土台となる歯ぐき(歯肉)や歯槽骨が炎症によって破壊されていく病気です。
初期段階では歯ぐきが腫れたり、出血する程度ですが、進行すると **歯を支える骨(歯槽骨)** が溶けてしまい、やがて歯がグラグラ動くようになります。
歯槽骨が失われると、自然に元に戻ることはありません。
そのため、歯周病の治療では「進行を止める」ことが基本ですが、近年は失われた骨や組織を“再生”させる治療法が確立されてきました。
歯周病の再生治療とは?
再生治療(歯周組織再生療法)とは、失われた歯槽骨や歯ぐきの付着を再び取り戻すことを目指す治療です。
従来の「歯石除去」「歯ぐきの炎症改善」だけでなく、組織を再生させる材料を用いて、より根本的に歯の支えを回復させます。
いずれの方法も、自分の体が持つ「再生力」を引き出すことを目的としています。
どのくらい再生できる?再生量の目安
再生治療が適応となるケースでは、
失われた歯槽骨の約50〜90%ほどが回復する可能性があります。
ただし、すべてのケースで同じ結果が得られるわけではありません。
再生量には、次のような条件が大きく関わります。
・歯槽骨の欠損形態:くさび状や縦に深い骨欠損ほど再生しやすい。
・歯周病の進行度:中等度の歯周病が最も効果を発揮しやすい。
・年齢・体力・免疫力:組織の再生能力は個人差があります。
・日々のブラッシング習慣:プラーク(歯垢)をしっかり取り除けているかどうか。
再生治療は “魔法” ではなく、患者さん自身の治す力と努力が成功の鍵となります。
再生治療が向いているケース・向いていないケース
再生治療が特に効果を発揮するのは、歯の根の周囲に、深く縦方向に骨が溶けているケースです。
このような形状の骨欠損では、再生材料がしっかり留まり、治癒が促進されやすくなります。
一方で、以下のようなケースでは再生が難しいこともあります。
・骨の欠損が浅く、広がっている場合
・歯の動揺が大きく、支えが弱い場合
・歯周病が重度で、歯を保存できないほど進行している場合
このように、再生治療の可否はレントゲンやCTによる精密な診査が必要です。
再生治療の成功には「患者さんとの協力関係」が不可欠
再生治療を成功に導くためには、歯科医師の技術だけでなく、患者さんの協力が欠かせません。
治療後も正しいブラッシングを続け、定期的にメンテナンスを受けることで、再生した組織を長く保つことができます。
「自分の歯をなるべく残したい」「骨を再生させたい」とお考えの方は、まず一度ご相談ください。
まとめ:再生治療は「回復力を引き出す医療」
歯周病の再生治療では、失われた歯槽骨や歯ぐきの付着が最大で約9割ほど回復する可能性があります。
ただし、すべての症例で適応できるわけではなく、骨の形・生活習慣・免疫力・ケアの丁寧さが結果を左右します。
“再生”とは、治療を受ける側と行う側の二人三脚。
それはまさに、唇と歯が支え合う関係のように、信頼と協力の上に成り立つ治療です。
口の中の健康は人が産まれてから死ぬまで一生大切にしなければならないものです。
そのため、当院では患者さま自身の健康増進・維持の為に最良の環境を提供したいと考えております。
一般歯科から専門歯科治療まで、患者さま一人一人と充分なコミュニケーションをとりながら良質な医療を提供できるよう考えております。
歯の悩みがある方、その他ささいなことでもお気軽にご相談ください。
岩坂歯科医院は一般歯科(虫歯治療)、小児歯科、歯科口腔外科を診療しており、特に歯周病治療、歯内療法、審美歯科にも力を入れ最新の専門歯科治療をご提供いたします。
十分なカウンセリングを行い、患者さま一人一人の症状の原因を考えながら、安心・丁寧な治療を心がけています。
お口に関する悩みなどございましたら、お気軽にご相談ください。
岩坂歯科医院
院長 岩坂憲助
〒 043-0034
北海道檜山郡江差町字中歌町86-1
TEL:0139-56-1182
HP:岩坂歯科医院/江差町の歯科(歯医者/審美歯科/上ノ国町) (iwasaka-dc.com)







